日本語コラム

桜開花予想 2022

先日、日本気象協会から桜開花予想が発表されました。早くも福岡では17日から開花が観測され、九州〜関東エリアまではこの先1週間が開花ラッシュのようです。コロナで自粛ムードの日本ですが、最近は少しずつ人出が増えてきているようで、数年ぶりのお花見を楽しむ方も多いのではないでしょうか。

ここでお花見について小ネタ。以前は貴族の行事でしたが、鎌倉・奈良時代に入ると武士階級にも広がっていきました。有名な豊臣秀吉の「醍醐の花見」では、このために700本の桜が醍醐寺に植えられ、豪華絢爛に茶会や歌会などが催されたとか。お花見とセットで親しまれる「三色団子」も、この時振舞われたのが最初だと言われています。江戸時代には桜の品種改良も盛んに行われるようになり、最もポピュラーな品種「ソメイヨシノ」も、この時代に作られたそうです。そして、この頃から桜の名所として名高かった「上野の山」(現在の上野恩賜公園)には、時代を超えて毎年多くの花見客が訪れています。

一方、農民の間でも豊作祈願の神事としてお花見が行われていました。

桜の名前の由来には諸説ありますが、「さくら」の「さ」が田の神様、「くら」が神様の座られる「御座(みくら)」を意味するとか。桜には、春に山から降りてくる「田」の神様が宿ると信じられており、桜の花の咲き方で農作物の収穫を占ったり、開花時期に合わせて稲の種まき準備を行ったりと、農民にとって桜はとても大切なものでした。

このような時代に思いを馳せながらお花見に興じると、さらに趣深く、風流ですね。