日本語コラム

バレンタインデー

日本のバレンタインでは、女性から男性にチョコレートをあげるのが一般的です。この風習の始まりについては諸説ありますが、昭和10年にモロゾフ製菓が英字新聞に「チョコレートを贈ろう」と広告を出したのが始まりだとか。また、当時の主な買い物客が女性だったことや、アメリカのウーマン・リブ運動の影響で、女性が恋愛の主導権を握ろうというムードがあったため、製菓会社の販売戦略により、「女性から男性に愛の告白をする日」というイメージが定着していったようです。

年末年始の雰囲気が落ち着くと、軒並みデパートの地階食品売り場(通称 デパ地下)に有名ブランドのチョコレートが陳列され、多くの女性でごった返します。また、本命以外の相手にも渡す文化があり、友人にあげるものを友チョコ、家族のをファミチョコ(家族チョコ)、職場等の知人のを義理チョコと呼び、日頃の感謝を込めて贈ります。また最近はマイチョコ(自分チョコ)という呼び名も登場し、自分自身へのご褒美としてチョコを購入する女性も増えています。

3/14には日本独自のホワイトデーという日があり、バレンタインのお返しとして、キャンディー等のお菓子を贈る風習もあります。“恩返し”や”Gift giving”の文化を重んじる日本らしい特別な日ですね。

クリスマスホリデー

新年、明けましておめでとうございます。本年もコロラド日米協会をよろしくお願い致します。さて、皆さんはどんな休暇を過ごされましたか?私はDenver Zoo Lightsでイルミネーションを観たり、Colorado SymphonyやDenver Philharmonicのクリスマスコンサートを鑑賞したり、コロラドらしいクリスマスを満喫しました。また、イブには友人家族のパーティーにも参加させていただきました。そこで、自分の欲しいギフトを奪い合うWhite elephant gift exchangeを初体験。White elephantを直訳すると「白い象」になりますが、英語では「無用の長物=ムダなもの」という別の意味があり、その経緯をたどるとタイの昔話に行き着きます。昔タイの国王が、気に入らない家臣に白い象を嫌がらせで贈りました。家臣は維持費の高いその象を手放したかったのですが、白い象は神聖だとされていたため、それもできず…そんなことから、いらないプレゼントのことをWhite elephantと言うようになったそうです。自分の用意したプレゼントが不人気な場合や、大の大人たちが奪い合う様子は少々世知辛いですが、遊び心溢れるアメリカらしいゲームでした。

一方、日本のクリスマスは、家族より恋人と過ごす日というイメージが根強いです。そのため、パートナーのいない人々は直前になると「また今年もクリぼっち(クリスマスでひとりぼっち)」とため息を漏らすこともしばしば…。そして、これもまた日本独特ですが、クリスマスの定番メニューと言えばケンタッキーフライドチキン。その理由には、企業の販売戦略や七面鳥が手に入りにくいという背景がありますが、何はともあれ、ケンタッキーのCMソング「すてきなホリデイ(竹内まりや)」がテレビで流れ始めると、多くの日本人がクリスマスの到来に心を躍らせます。

皆さんの休暇の思い出も、次回お会いした時にぜひ聞かせてくださいね。

photo from: fashion-press.net

標高1600ftの秘湯

先日、Rainbow Hot Springsへハイキングに行ってきました。なだらかとは決して言えない自然豊かなコースを歩くこと約3時間。川の一角に、石で区切られた直径2メートルほどの温泉が現れました。美しい川の流れを聞きながら、雪化粧した山並みも一望でき、こんな奥地に温泉を見つけた先人に感服するばかりでした。”温泉”と言えども、その様子は日本人の私がイメージする温泉とは全く違うものでした。そこには脱衣所も洗い場もなく、草むらで水着に着替えました。浴槽の底には泥が沈殿しており、草木も混ざっています。一番の難関は、心臓が止まりそうなほど冷たい川を渡らないと、温泉にたどり着けないことです。そして、たどり着いた温泉の温度は35度のぬるま湯。多少体は温まりますが、戻りの渡河でまた凍りつきます。すでにご理解いただいたと思いますが、日本人の想像する心地良い温泉ではありませんでした。その一方で、「よし、行くぞ…3 2 1 GO!!!」と覚悟を決めて温泉に出入りし、川でヒーヒー!と叫んでいた自分の姿を思い出すと、笑いがこみ上げてくる最高の冒険でした。暖かくなったら、皆さんもぜひ訪れてみてくださいね。