日本語コラム

盃と杯

コートの必要ない日が増え、そろそろ春と呼んでいい気候になってきましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

春といえば、日本では出会いや別れの季節ですね。送別会や歓迎会、そしてお花見もあり、年末に続き乾杯が増える時期でもあると思います。また我々は、競い合ったり自分の能力を他人に示そうとしたり、あるいは自分自身と闘ったりと、結果や勝敗を意識して生きることが多くありますが、その他人や自分に勝った時にも、成功を祝うために酒を飲みます。さらに人間は約束が好きな動物で、その席でも酒を酌み交わし、契約とみなすことがあります。結婚式での三々九度は有名ですよね。

さて、日本で約束事をする時に使う「盃」ですが、「杯」という漢字もあって、どちらも読み方は「さかずき」です。この二つに違いはあるのでしょうか。

「盃」は「杯」の俗字だという説もあるそうで、基本的にはどちらも酒を飲むための器という意味です。ただし現代では漢字の使い分けがされており、実際に酒を飲む器の場合は盃、優勝杯などの戦利品、また一杯二杯などの単位や、掛け声の「かんぱい(乾杯)」には杯が使われています。

ちなみに昔の人々は、戦利品としての杯でも酒を飲んでいたようです。今とはやり方が少し違いますが、勝利を祝う行為はいつも変わらないのですね。

今回は盃と杯について書いてみましたが、来月JASCでも優勝杯をめぐって競い合うイベント、ジャパンカップが行われます。参加者も審査員も、みなさん張り切って準備に取り掛かっていますので、当日をお楽しみに!

※ジャパンカップの詳細は下の画像をクリック↓↓↓

Miho Miyazaki 宮崎美穂, Office Administrator

おみやげ

先日我がマネージャーから日本へ持って行くお土産について質問を受けました。その時は「日本人はトレーダージョーズが好きだから、トレジョ商品を買っていけば間違いない。」と伝えて終わったのですが、その後日本の土産文化について気になったので、少し調べてみました。

「土産」は元来「とさん(またはどさん)」と読む漢語で、土地の産物という意味です。それが「みやげ」になったきっかけは諸説ありますが、「宮笥」と書いて「みやけ」という、神社のお札やお供え物を入れる容器から来ているというのが有力なのだそうです。その後、参拝客が集まる所に自然に店が増え、そこで社寺にちなんだ縁起物のほかに、その土地の産物が売買され、「土産」の字をあてるようになったとみられています。

ところで、お土産は日本独自の文化と思われがちですが、アメリカ人は何も買わないというわけではありません。自分自身、そして家族や友人のためにお土産を買ってくることはあります。ただし、日本のように職場にまで持って行くということはないようです。「買わなくてはいけない」というプレッシャーからではなく、相手の喜ぶ顔を想像すれば、買うという行為すら楽しい思い出になりますよね。

さて、今回のテーマである「お土産」として日本から持ってきてもらうのは難しいですが、日米協会によるイベント「おうちごはん!」に参加すれば、おいしいお好み焼きを自分で作れるようになります!今月は28日金曜日、午後4時(山時間)から開催です。ぜひご参加ください(詳細は下記リンクからご確認いただけます)!!

https://www.jascolorado.org/event-calendar#!event/2025/2/28/ouchigohan-hiroshima-style-okonomiyaki

Miho Miyazaki 宮崎美穂, Office Administrator

飲み会文化

明けましておめでとうございます。2025年もJASCそしてこの日本語コラムをどうぞよろしくお願いいたします。

今月は年末年始の日本に欠かせない、飲み会について書いてみました。

 「飲み会」とは読んで字のごとく「酒を飲む会合」ですが、日本においての飲み会の定義はそれだけにとどまりません。友達同士の飲み会もあれば、職場で仕事を円滑にするためのコミュニケーションツールのひとつとして、この会合があります。かくいう筆者も日本では数えきれないほど参加したものです。お酒が少し入ると腹を割って話しやすくなり、今まで遠い存在だった相手との関係が近くなることもありますよね。

ただしこの「職場における飲み会」に関しては近年賛否両論あるかと思います。終業しているのにまだ仕事が続くようで気が向かない、そもそもお酒を飲まないなど、できれば参加したくないと思う方もいらっしゃるでしょう。

とはいえ前述の通り、飲み会とはコミュニケーションの一環であり、お互いを嫌な気分にさせるために存在するわけではありません。無理に参加するのは良くないけれど、メリットもたくさんあるはずです!

というわけで、JASCでは日本文化の良いとこ取り、参加したい人がするビジネス飲み会「3rd Thursday Nomikai」を始めました。毎月第三木曜日に、エッジウォータービアガーデンにて行われ、早速記念すべき第一回も大成功に終わりました。そして我々がこの会場を選んだ理由のひとつは、種類豊富な「モクテル(ノンアルコールカクテル)」のメニュー。いつもお茶だけで過ごさねばならなかったあなたも楽しめるのです!継続は力なり、今後ますます面白いイベントになること間違いなしですので、興味のある方はぜひご参加ください!!

Miho Miyazaki 宮崎美穂, Office Administrator